第2章 初めての彼氏は…、
天(あのりんが初対面の男相手に家を教えるか?ねぇだろ…。じゃあ何で揃って返事しねーんだ?)
そう眉根を寄せた時、杏寿郎からメッセージが届いた。
天「お、」
そこには『すまない!風呂に入っていた!!』と表示されている。
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杏(む、随分と前に送っていたのだな。悪い事をした。)
杏寿郎はそう思うと『りん、どうだった?』という天元の問いに『愛らしかった!!』と返した。
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天「………そーかよ。」
天元は予想通りの結果に口角を上げた。
杏寿郎なら素のりんの表情を引き出せると信じていたのだ。
そして、杏寿郎がガードが固いりんを家まで送り届けたことを知ると驚き、一向に返事をよこさないりんの画面に切り替え、通話ボタンをタップした。
天(まずは俺に感謝だろーが!!)
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「わっ」
杏寿郎にメッセージを打とうか迷っていたりんは、震え出したスマホを取り落としそうになった。