第2章 初めての彼氏は…、
杏(確かに宇髄に似ているが、全く違う。とても愛らしかった。)
そう思いながらりんのマンションの方を見る。
と言ってもそちらには壁があるだけだ。
バルコニーに出れば見えるだろうが、そこまでしてはストーカーじみている。
杏(一日で随分と強欲になってしまったようだな。あれだけ話せたのだから十分だろう。次また会った時に…、)
そう思ってハッとした。
杏「次はいつ会うんだ。」
———
さらにところ変わって天元宅。
天(あいつら二人揃って未読スルーしやがって…。いや、もしかして……、)
天元は二人がホテルに行く想像をしてから首を横に振った。
天(煉獄が初対面相手にそんな事をするようには思えねーし、りんのガードが一日で緩むとも思えねぇ。見送りでもしてんのか?)
天元は親戚でありながらりんに家の場所を教えてもらえていなかった。
昔の噂を忘れきれていないりんが、ある程度の距離を保っていたいと思ったからだ。