第2章 初めての彼氏は…、
杏「これの隣だが…。」
「……えっ!?」
杏「その反応から察するに君はここに住んでいるのか。」
これには杏寿郎もさすがに驚いてぽかんとした表情を浮かべていた。
一方、りんは隣の物件をじっと見つめていた。
(ここ…、私が諦めたマンションだ…。すっごく素敵だったけど家賃が高くて……。)
「…良いところに住んでますね……。」
杏寿郎はそう言われるとりんの綺麗なマンションを見て首を傾げる。
杏「そうだろうか。風呂が大きい所が良いと言ったらここになっただけだぞ。何はともあれ、無事送り届けられて良かった!」
そう晴れ晴れとした笑顔を向けられると、羨ましく思っていた気持ちがどうでも良くなっていく。
「…はい。本当にありがとうございました。」
りんは杏寿郎に家の位置を知られた事に安堵のようなものを覚えていた。