第9章 牽制
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杏「皆、お疲れ様!!ようやく昼だな!!!」
一方、昼休みの職員室では杏寿郎の元気な声が響いていた。
天「……うるっせー………。」
特別耳が良い天元は露骨に嫌そうな顔をする。
杏寿郎はそんな天元の方へにこりと爽やかな笑顔を向けた。
杏「すまない!!だが許してくれ!午前中ずっと楽しみにしていたんだ!!」
そう言うと杏寿郎は、ばばーん!とビニール紐で括られたタッパーの山を机に置く。
天「…何だそれ。りんの弁当か…?タッパーって色気ねーな。」
杏「失礼だろう!!入れる器が無かっただけだ!!」
杏寿郎はそう言うと眉を寄せ、テキパキとタッパーを机に並べていった。
天「あいつ料理なんか作れんの?」
天元は立ち上がって近寄りながらそう問う。
すると杏寿郎は嬉しそうな笑顔を返した。