第9章 牽制
(みっともない姿を職場の皆に晒さないよう、今日は一日気を張っていないと…。)
りんはそう気合いを入れるとホームに到着した電車に乗り込んだのだった。
———
杏「おはよう!!!」
一方、杏寿郎は朝練に来た部員達に元気な声をかけていた。
部員達はいつもより更に元気な様子を見ると、部室で着替えながらその理由について話し合った。
部「あの彼女と何かあったのかな。」
部「いつ付き合いだしたかによるよ。つい最近だったんなら彼女関連で決まりだろうけど…。」
部「なあ……宇髄先生に聞いちゃえば良いんじゃ…?」
その提案に皆がハッとする。
部「あの人、宇髄先生の従姉妹だって言ってた!」
部「まじか!お前あの人と話したのかよー!」
部「でも…煉獄先生は『そっとしておいてほしい』って言ってたぞ…。」
その言葉にしんとなると杏寿郎が部室を覗きに来る。
杏「どうした!早く始めるぞ!!」
部員達は一斉に肩を跳ねさせると『はい!!』と返事をしたのだった。