第6章 一大イベント(part. 1)
杏「心配いらない!とても爽やかで透明感がある!好印象、間違い無しだ!!」
りんはその言葉にほっとした。
しかし肩はまだ若干強ばっている。
それを見た杏寿郎は眉尻を下げて少し呆れたように微笑んだ。
杏「母上は可愛いものを愛でる質だし、(早く孫の顔を見たい)父上は俺が恋人を作っただけで泣くほどほっとしたらしいぞ。千寿郎もとても良い子だ!皆、君の良さを理解してくれる!」
そう力強く言われたりんはようやく肩の力を抜いた。
「杏寿郎さんのご家族ですもんね…良い方々に決まってますよね…。ありがとうございます。お会いするのが楽しみになってきました。」
そう言うとりんはレア度の高いふにゃっとした笑顔を浮かべる。
杏寿郎は口角を上げたまま少し固まり、そして脳裏に焼き付けるようにその笑顔を凝視した。
「……………?」
———
「よし、行ってきます!」
杏「お邪魔しました!!」
二人は昼前に家を出ると桜新町へと向かった。
気合い十分で歩くりんの手には用意した手土産がある。