第5章 華
杏「……すまない、怯えないでくれ。約束通り日曜まで待つ。」
そう言いながらも杏寿郎の腰は緩く動いてりんの腹に何かを押し当てていた。
杏寿郎は目を細めながら、恐らく真っ赤になって息を潜めているのであろうりんを見つめた。
杏「口付けは許してくれるか。」
そう問うと、しばらく経ってから小さな『はい。』が聞こえた。
杏寿郎はりんの頭脇に肘をつくと急くような口付けを繰り返した。
口付けに応えていたりんは、杏寿郎の息がどんどん上がっていってしまっている事に気が付いた。
それと共に腰の動きも速まっている。
(こ、このまま出すつもりなのかな……。)
りんがそう思った時、杏寿郎がもにっとりんの胸を揉んだ。
「ん"ーーーッ」
『それは聞いていない』と思ったりんは杏寿郎の胸を押したが、おかしいくらいビクともしない。
———ズリッ、ズリッ
布が擦れる音とベッドが軋む音が聞こえる中、杏寿郎は荒い息を繰り返しながら恍惚とした表情を浮かべていた。
そして杏寿郎が身を起こすと、カーテンの隙間から差し込んだ月明かりでその表情が見えてしまった。