第25章 耳掃除をしよう(安土勢)
信長様に怖いものなんて無いんだろうと思っていたけど、そうじゃなかった。
(親近感わいちゃうな)
赤い耳たぶを見て、静かに笑う。
「うーん、信長様は耳掃除の必要がなさそうです!
凄く綺麗にされていますね。流石信長様です」
秀吉「そうなのか?」
きっと光秀さんが同席していたらバレていたかもしれないけど、都合よくさっき御殿に帰ったばかりだ。
「この調子でいつも綺麗なら、この先も耳掃除の必要はないでしょう」
手ぬぐいを取り払うと、緋色の目が不安を残しながら見上げてきた。
切羽詰まっていたんだろうなと不憫に思い、安心して欲しくて髪を撫でてあげた。
(ふふ、もう大丈夫ですよ、信長様)
想いを込めて漆黒の髪を撫でてあげると、信長様の身体からやっと力が抜けた。
「ふふ」
信長「ふっ」
秘密を共有した者同士で笑い合った。
政宗「あれも良いんだよな~」
家康「何がですか」
政宗「頭撫でてくれるやつだよ。
頭撫でられるなんてガキの頃以来だ」
慶次「あ?俺はやられてない」
三成「私はしてもらいましたよ。
舞様はとても優しく撫でてくれるので気持ちが良かったです」
慶次「んじゃあ、あとでやってもらうかな」
蘭丸「慶次様は背が高くて舞様の手が届かないんじゃない?」
慶次「そこは屈むか、また膝枕だろっ」
蘭丸「あ、ずるーい!」