第25章 耳掃除をしよう(安土勢)
家臣1「なんと!舞様を欲しくなる程良いということか!」
家臣2「どれほど心地良いものなんだ?」
「あ、いえ、皆さん。大げさですよ。
慶次の冗談です!ささ、皆さんも忙しいでしょうからどうぞお帰りくださいね」
思いっきり引きつった笑いを浮かべて家臣の人達を追いやり、広間に残ったのは光秀さんを除く安土のメンバーだけだった。
政宗「おい、慶次、抜け駆けはよくねえな?
そいつは俺がもらう」
慶次「いいや、俺の方が良いだろ、舞」
「考えたこともないよ、そんなこと……」
顔面偏差値が高い武将達とどうこうなろうなんて思っていない。
心の栄養として日々眺めていられるだけで満足だ。
家康「どっちも嫌なんじゃないですか?」
三成「私では駄目でしょうか?」
蘭丸「あー、三成様、さりげなく抜け駆けしてるー。
ねえ舞様、俺は?」
「ちょっと待って、一体皆どうしたの?そんなに耳かきが良かった?」
急なモテ期到来に、及び腰になる。
秀吉「こら、お前達、舞を困らせるんじゃない。
大体舞をどうにかしたいなら、まずは信長様に許可を取ってからにしろ」
政宗「そういえば信長様は舞の耳掃除を経験しましたか?」
信長「いや……」
信長様が言葉少なに返事をして黙った。
(?)
不機嫌そうに見えて、どこか違う様子に小さな違和感があった。
秀吉「っ!信長様を差し置いて、失礼いたしました。
舞、信長様もやってくれないか?」
「え、いいけど……」
新しいものが好きな信長様なら積極的に絡んでくるところなのに、なんとなく信長様の雰囲気が重い。
「……?」
信長「……」
興味深いというよりも、ひた隠しているのは………
(焦ってる…?いや、まさかね、あの信長様が焦るなんてことないよね)