第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)
男「なんですか?」
(日本語だ!)
ハッキリ言って日本語以外、どこの言語も習得していないので、日本だとわかっただけで一安心だ。
「おかしなことを聞きますけど、今日は西暦何年何月何日でしょうか?」
男「はっ?変なこと聞くねーちゃんだな。今は……」
格好だけでも驚いていたのに、私の質問にさらに目を丸くしている。
重ね重ねおかしな質問をしてしまったけど、男の人は訝しんだ顔をしながら律義に答えてくれた。
「ありがとうございました」
ここはやっぱり海のリゾート地で、私が本能寺跡でタイムスリップしてから数か月しか経っていなかった。
男の人にお礼を言って元の場所に戻った。
「ホテルに行って寝る所を確保して、あとは着る物も必要だよね」
懐に忍ばせていた巾着袋を取り出した。
現代の貴重品は盗まれたり紛失しないよう、いつも持ち歩いていた。
「クレジットカードとキャッシュカード、使えるかな。止まってたらまずいな…」
カード類が使えなかった場合、手持ちは少ない。
食事を数回できる程度だろう。
動かない二人をじっと見つめた。
巻き込んでしまったのだから、責任を取って守ってあげなくてはいけない。
(カード類が使用できるか確かめて、使えなかった時を仮定して…)
二人が目を覚まし、時を越えてしまったと驚く頃には、私は次を考えていた。