第90章 失踪ルート プロローグ
【誰が為に心臓を捧げる】失踪ルートプロローグ
誰もが寝静まった深夜、ふとリヴァイは目が覚め瞼を開けた。
隣に寝ているのは自分の息子と最愛のリリア、二人は寝息を立てている。
暑いのかエルヴィンは上半身が布団から出てしまっている。それをソッと直すとリヴァイはポンポンと体を優しく叩いた。
(家族……か…)
それはリヴァイがずっと欲しかったもの。
視線をリリアに向けじっと見つめ想いを馳せる。
ずっとずっと好きだった。好きになった当初はこうなる未来を描いていなかった。無理だと思っていたから。
しかし彼女は自分の手を取ってくれ、全てが終わったら家族になろうという約束を叶えてくれた。
だがふと思う時がある。