第61章 祝いの日
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杏「………………。」
「杏寿郎さん…?」
翌日の顔合わせの日、
戸を開けた杏寿郎は初めて見るめかし込んだ菫の姿に固まってしまった。
杏「あ、いや、すまない。重國さん、晴美さん、菫さん、蓮華さん、どうぞ上がって下さい。」
重「ああ。ありがとう。」
「……?」
杏寿郎の表情から心情を悟った晴美と蓮華はこっそり楽しそうな顔をした。
杏寿郎も菫も相手の家族と話す時間は十分にあった。
それ故にその場は杏寿郎と菫以外の者の交流の場と化していた。
杏「少し暇になってしまったな!」
「そうですね。」
二人はそう会話を始めると幸せそうに微笑み合った。