第58章 休養―其の弐
――――――
そして、今度は行冥、杏寿郎、天元、無一郎が全快した。
菫も『杏寿郎さんの怪我が治るまでは』と言ってまだ蝶屋敷で生活をしていたが、その我儘もこれまでだ。
四人が退院するとなると義勇と実弥も集まってくれた。
天「で、いつ集まんだよ。」
杏「うむ!大切な時期に家出をしていた菫は嫁入り準備に向けて色々とやる事があるようでな!一ヶ月は先になりそうだ!!」
その声に天元が不満そうな声を上げる。
実「仕方ねぇだろォ。」
義「集まれる機会があるだけありがたいと思ったほうがいい。」
菫は天元に向き直ると頭を下げた。
「二週間でこなしてみせます。」
パッと上げた菫の顔には意志の強い、頑固そうな表情が浮かんでいた。
し「柔らかくなったとは思いますが、本質はこうなんですよねえ。」
「…また堅苦しかったかしら……。」
長い休養生活の中で柱と接する事は増えた。
それに加え、鬼殺隊の解散が正式に発表された。
その二点から菫は随分と年下に対する態度を変えていた。