第57章 闘いを終えて
し「何度も同じ事を言わせないで下さい。此処は蝶屋敷です。お静かに願います。」
杏「うむ!前にも同じ事を注意されたな!すまなかった!」
さっぱりと謝られたしのぶは不完全燃焼のまま溜息をついた。
まともな感覚を持ち合わせている槇寿郎と千寿郎はしのぶのオーラに少したじろいでいる。
し「菫さんはどうしたんですか?見ていてもらわないと…、」
「蟲柱様、お呼びでしょうか。」
菫は首を傾げながら病室に入って来た。
その手には手早くしたためた手紙がある。
し「煉獄さんがまた大きな声を出したんです。今後このような事がないように見張っていて下さい。」
「畏まりました。」
前回そう頼まれた時は酷く動揺して返事すら出来なかった。
尊敬する杏寿郎に注意など出来ないと泣きそうになった。
それ故に杏寿郎は菫の今の返事を嬉しく思った。
し「まともな関係に落ち着いてくれて良かったです。本当に質が悪かったので。」
しのぶは少し棘のある言葉を使いながらも杏寿郎同様に変化を喜んで微笑んでいた。
「……?」
千「?」
槇「?」
そうして二人が微笑むと残りの三人は不可解そうに首を傾げたのだった。