第57章 闘いを終えて
(いくら鬼舞辻が弱っていたとしても鬼の始祖に変わりはない。その上、万全の状態だった上弦の壱とも戦われたとなれば…死んでしまっていてもおかしくはなかった。それでも…、)
菫は口をきゅっと結ぶと杏寿郎の隊服を脱がせていった。
(もう終わったんです…戻って来てください…。)
そうして菫が顔を顰めながら杏寿郎の傷口を縫っている頃、同じく黒死牟と闘って深い傷を負っていた行冥と天元もまた立ち上がれずにいた。
蜜「う、宇髄さん…悲鳴嶼さん…。しのぶちゃん、どうしたら…、」
三人に比べたらましな怪我で済んでいた他の柱の面々はもう体の変化に順応している。
し「処置をして安静にするしかありません。その為にもまずは此処から清潔な場へ運ばなければ…。」
それを聞いた蜜璃は天元の体をお姫様抱っこで持ち上げた。
蜜「私はこびます!」
天「その持ち方はねーわ…。」
実「冨岡ァ!!俺らも悲鳴嶼さん運ぶぞォ!!」
その言葉に炭治郎の方に行っていた義勇が戻って来る。