第56章 最終決戦
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(杏寿郎さんのお母様…、どうか杏寿郎さんを、お館様を、お守り下さいませ…。)
菫がまだざわついている隊士と共に庭にいると、突如足元に無数の格子戸が開いた。
「え、」
此処に来ていた隊士達の多くは既に新しい上弦の肆、鳴女に位置を捕捉されていたのだ。
隊「わッ」
隊「血鬼術か!?」
菫は居場所を知られていなかったのだが、共にいた為に巻き込まれ、戸の下に吸い込まれてしまった。
(今動く鬼は普通の鬼じゃない。恐らく鬼舞辻から直に命令を下された鬼。そしてわざわざ他の隊士様まで招く理由は一つだわ。鬼舞辻は自身の縄張りで鬼殺隊を根絶やしにしようとしている。つまり、この中には沢山の鬼が居る!!)
菫はそう思うとダンッと壁を蹴ってなんとか襖の上に着地した。
運の悪い事に一緒に落ちた剣士はいない。
(私なんて弱い鬼にすら勝てないわ。日輪刀もない…。とにかく逃げ続けないと…!)
菫はそう思うと無闇矢鱈と動かずに耳を澄ませたのだった。