第55章 柱稽古
隊「炎柱様のところって確か継子いたよな…。」
隊「あれだよ、竈門炭治郎。鬼の妹連れてるっていう…。」
隊「他にも二人いたって聞いたぞ。」
隊「まじか…よく続くな…。」
そんな会話をしつつ、隊士達は縁側から屋敷内へと入った。
「そ、それはいけません…!」
菫は『俺も共に配膳する!』と申し出た杏寿郎にぎょっとした。
予想通りの反応であったが、それでも杏寿郎は眉を寄せた。
杏「もう隠さず言おう。君の素顔を見て興味を持った隊士がいる。君を一人で働かせたくない。」
菫はそれを聞くと『男所帯ならそういった者が出るのは仕方がない』と納得したように頷き、杏寿郎の優しさが嬉しくて微笑んだ。
「それでは隊士の皆様にはご自分のお食事を居間まで取りに来て頂きましょう。杏寿郎さんはいつも通り居間でお召し上がり下さい。元々私は杏寿郎さんのお世話を任された隠です。どなたも文句は言えないでしょう。」
その提案に杏寿郎はほっとしたような笑みを浮かべた。
杏「そうだな。意見を聞いてくれてありがとう。」
そう言うと炊事場の外に誰も居ないことを確認してから菫の頭を優しく撫でたのだった。