第55章 柱稽古
行「煉獄は柱の中でも上位に入る実力者だが、我々の場合、そのような順位よりも肩書きの方が重視される。それ程までに柱という名は重く、圧倒的なのだ。」
行冥は蜜璃を見ていた。
行「一度に求めすぎては酷というものだが、煉獄と自身の間に線を引いてはいけない。」
蜜「うう、頑張りますぅ…。」
少し厳しくも聞こえる行冥の激励に蜜璃は眉尻を下げて返事をした。
それを聞くと行冥は炭治郎の方を向く。
炭「あ!一度お会い、しましたが、竈門炭治郎といいます…っ!今は煉獄さんの継子で…、」
まだ息が切れている炭治郎はなんとか立ち上がって自己紹介をした。
行「………。」
行冥は暫く黙って炭治郎の気配を観察した。
行「…ああ。私は悲鳴嶼行冥、岩柱だ。」
炭「岩…。」
聞いた事のない呼吸の名を、炭治郎は小さな声で復唱した。