第54章 嫉妬
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その時、刀鍛冶の里では風柱、不死川実弥の弟、玄弥が炭治郎と共闘していた。
そして、幸運にも杏寿郎の元継子で恋柱の甘露寺蜜璃と、記憶に障害を持つ霞柱の時透無一郎も居合わせていた。
無惨は陸である妓夫太郎が柱一人相手の時は良い戦いをしていた為に、肆と伍への増援を送らなかった。
それ故に玉壺と半天狗は『上手くやれるだろう』という無惨の圧を感じ、遊ばずに里を壊し始めたのだった。
そして――、程なくして鍛錬中の杏寿郎達の元へ炭治郎の鴉が飛んで来た。
しかし、それは増援要請ではなく勝ち星の報せだった。
杏「…本当か!!!」
善「え…まじで?上弦あと二体じゃん…。」
伊「大したことねぇな。」
三人はそれぞれの反応をし、杏寿郎は菫にも報せる為に林を出た。
「え…っ」
案の定、自室から出て来た菫も目を丸くした。
そして炭治郎の引きの強さにも驚いた。
杏「参、陸、肆、伍…全ての鬼に会っているのは彼だけだな。」
杏寿郎も同じ事を思ったようでそう言った。