第14章 醜い痣
杉「俺がしろって言っていたのはそういう顔だよ。お前さ、随分ときったねぇ体してるぞ。なあ、目の前で剝いたら炎柱はどんな反応をするんだろうな。醜過ぎてとても見せらんないよなあ。失礼にも程がある。」
「や…、」
菫の瞳が揺れる。
そして、震える唇が言葉を紡いだ。
「…………やめて、下さい……お願いします……。」
懇願する姿を見た杉本の吐く息が興奮から震えた。
杉「…聞こえねーよ。もう一度言え。」
菫は杏寿郎の為に醜い体を見せたくなくて、何度も何度も懇願した。
そして、何度も何度も自身の体は醜いのだと教え込まれた。
冷静な状態であれば客観的な視点から物事を判断出来る菫であったが、敬愛し、心酔する人の名を出されるとそう上手くはいかなかった。
杉「ああ、お前のその声は可愛いな…。」
そう熱を孕んだ声を出すと、杉本は最後の拳を菫の頬に打ち付けた。