第53章 遊郭に巣食う鬼
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その頃―――、
炭「一生懸命働きます!」
炭治郎、もとい炭子は売られていた。
その後、伊之助はスカウトされ、善逸はタダ同然で売られ、三人は三つの店へ散った。
そしてその夜、伊之助は鬼の手掛かりを見付け、善逸は上弦と思しき鬼本体に接触し、消息を絶ってしまったのだった。
杏「只今帰った!!」
「お帰りなさいませ。」
杏寿郎は帰ると羽織りを預かってくれる菫の頭を撫で、静かな廊下に目を遣った。
杏「まだ帰ってきていないのだな。」
「はい。」
菫が心配そうな顔をすると杏寿郎は明るい笑みを浮かべる。
杏「元々宇髄は長期任務中だったからな、隠れるのが得意な鬼なのだろう!彼等は随分と強くなった!信じよう!!」
「はい!」
菫はしっかりと返事をすると、杏寿郎が風呂に入っている間に食事の仕上げをし、杏寿郎が居間へ来るタイミングで二人分の膳を並べ、そして一緒に食事を取った。