第53章 遊郭に巣食う鬼
「…竈門様、我妻様、嘴平様は音柱様と上手くやっていらっしゃるでしょうか。」
杏「竈門少年は問題無いだろう!他の二人は…うむ!大丈夫だと信じよう!!」
菫はそんな杏寿郎に少し困った様な笑みを向けた。
日が傾き、任務へ発とうとしていた杏寿郎がそんな菫の頬に触れる。
「きょ、杏寿ろ」
杏「本当に変わった。」
杏寿郎は確かめるように菫の頬を撫でた。
「変わり、ましたか…?」
杏「うむ。初めは微笑んでもくれなかった。だが、今は微笑み一つでも様々な感情が手に取るように分かる。」
菫は少し首を傾げた。
「杏寿郎さんと居ると感情が揺さぶられます。なので変化は杏寿郎さんのお陰かと…。」
それを聞いた杏寿郎の顔に明るい笑顔が浮かぶ。
杏「そうならとても嬉しい!では!行ってくる!!」
相変わらずの切り替えの速さに菫はまた微笑んだ。
「お気を付けて行ってらっしゃいませ。ご武運を。」