第51章 目出度い報告
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天「…まじか。」
病室を一緒にされていた事に関しても理由を訊けずにいた天元は婚約の報告にぽかんとした。
杏「嘘ではないぞ!と言ってもまだ双方の父親に許可を貰っていないので口約束に近いがな!!」
天「あの旦那か…。」
天元は飲んだくれの槇寿郎と在籍期間が被っている。
それ故に槇寿郎が手強そうであることを知っていた。
天「頑張れよ。」
天元は立ち上がって杏寿郎の側にしゃがむとバンバンと背中を叩いた。
杏寿郎は『少し痛いぞ!!』と言いながらも明るく笑った。
杏「ではまた合同任務があれば宜しく頼む!!」
天「ああ。まあ、合同っつーより、」
見送りに来た天元は目を細める。
天「これからはド派手な戦いになるかもしれねぇぞ。お前も飲んだろ、あの薬。あれは異常だ。当然鬼舞辻も俺達の変化を感じ取ってる。黙っているとは思えねぇ。」
杏「…最終決戦が近付いているという事か。」
柱二人の会話に菫は喉をごくりと鳴らした。
(最終決戦…。)
天「それよりもお前、あの竈門炭治郎を継子にしたんだろ?どうよ。使えそうなワケ?」
杏「うむ!とてもよく励んでいる!!君も会ったら良くしてあげてくれ!とても感じの良い少年だぞ!!」
二人は継子達についても話したそうにしたが、杏寿郎も天元も寝なくてはならない。
特に天元は長期任務中だ。
杏寿郎と菫は結局長居せず、早々と天元の屋敷を発ったのだった。