第51章 目出度い報告
杏「だが、実際に顔が赤くなっている。体に出ている以上、言い訳は聞かないぞ。」
菫はそう言われると益々顔を赤くしながら杏寿郎の耳元に口を寄せ、ただ頬を染めていただけである事を告げた。
すると杏寿郎にもその赤みが移る。
杏「……そうか!では十分にしよう!」
杏寿郎はそう言うと二人の熱が冷めるまで茶屋で過ごしたのだった。
―――
天「よう。お前から会いたいなんて言うとはな。丁度帰ってきてて良かったぜ。最近は専ら藤の花の家に泊まってるからよー。」
天元はそう言いながら屋敷の中へ案内した。
杏「菫!気を付けるんだ!此処は忍者屋敷だからな!!」
「はい。」
天元はそんな会話をする二人を振り返る。
その顔は呆れた表情を浮かべていた。
天「そんな屋敷作ってねぇよ。面倒だろ。」
杏「よもや。忍者屋敷に住まわない忍もいるのだな。少々残念だ。」
天「良いから、こっち入れよ。」
天元はそう言うと客間へ二人を案内した。