第51章 目出度い報告
「その…、」
菫は説明を杏寿郎に任せたくなってちらりと見上げたが、杏寿郎は『君から言って欲しい!』という気持ちを溢れさせている笑顔を浮かべていた。
「…杏寿郎さんと婚約致しました。」
圭「…………………こん、」
圭太はシンプルな言葉にもっと目を丸くすると、菫の両肩を掴んで涙を滲ませた。
圭「よかった、ほんとうに……よかった…。」
「晴れの日には圭太さんもお呼びしたいのですが、来て頂けるかしら…。」
圭「……清水家の長女と煉獄家の長男の祝言に…?俺行って大丈夫か…?」
杏寿郎は明るい笑顔を浮かべた。
杏「俺達が何としてでも話を通そう!!」
「圭太さんはもう家族です。いらして下さい。」
菫の花嫁衣装を見るという事は、今は亡き許嫁のその姿を、妹のその姿を見れる事のような気がしていた。
圭太は俯くと涙をぱたぱたと落とし、再び『そうか。』と呟いた。
そんな報告を偶然通り掛かったしのぶが聞いてしまった。