第50章 薬がもたらしたもの
炭「それなら誰か一人がかわりばんこで屋敷に留まりましょう!屋敷でできる鍛錬もありますし!」
善「それ俺やります!!」
炭「かわりばんこだ!善逸はサボるつもりだろう!」
杏寿郎と菫は二人の継子を見つめてから顔を見合わせた。
杏「強く言ってすまなかった。彼等の言う通り誰かが居てくれれば確かに安心だ。それなら良いだろうか。」
柔らかい杏寿郎の声に菫が微笑む。
「はい。私も失礼な事を言ってしまい申し訳ありませんでした。お気持ちはいつも有難く思っております。」
二人がそう言って柔らかな空気を取り戻すと、居間全体も温かな雰囲気になる。
炭治郎と善逸は肩の力を抜いた。
炭「…鍛錬が楽しみです!これを使いこなせるようになって、俺も早く煉獄さんみたいになれるよう頑張ります!!」
やる気溢れる継子に杏寿郎と菫は微笑んだ。
杏「うむ!良い心掛けだ!!では食事が終わったら早速夜の鍛錬の為に街外れへ行くぞ!出鼻を挫いてすまないが、最初は竈門少年が残ってくれ!!」
炭「は、はい!!」
炭治郎は少し残念そうにしながらも急いで返事をし、菫に向き直ると『お任せ下さい!』と笑う。
「よろしくお願い致します。」
菫もその温かい笑顔に誘われるように微笑んだ。