第50章 薬がもたらしたもの
そんな二人を杏寿郎が笑みを浮かべながら見つめる。
杏「うむ!!目出度く婚約した!!!」
「………………ぇ……、」
炭「わあ!おめでとうございます!煉獄さん!菫さん!」
善「…おめでとうございます。」
炭治郎に対し、善逸は呟くように告げた。
正直、『人に仕事押し付けて何してんだ。』とも思ったのだが、戸惑いながらも菫がとても幸せそうな音をさせているのを聞いて純粋に二人に憧れたのだ。
伊「いいから早く飯の用意しろよ!!」
善「お前な!こんな時くらい我慢しろよ!!」
二人が言い合いを始めると杏寿郎は笑い、菫は頬を染めながら下がった。
(まさか継子の方々にまで伝えるとは思わなかった…。)
確かにそう戸惑ってはいた。
だが、炊事場に入った菫は心底幸せそうな顔をしていた。
第三者に知られ、祝われ、より実感が湧いたのだ。
(私…、杏寿郎さんと夫婦になるんだわ…。)