第50章 薬がもたらしたもの
―――
それから少し経つと、何事も無く見廻りを終えた炭治郎達が帰ってきた。
杏「二人の時間が終わるのは名残惜しいな。子供が出来たらこんな生活になるのだろうか。」
「…そうかもしれません。」
二人は体を離し、少し寂しそうに微笑み合うと部屋を出て三人を出迎えに行った。
杏「三人共ご苦労!任せてすまなかった!!竈門少年、体の具合はどうだ!!」
炭「すこぶる良いです!!」
菫はそんな言葉を聞きながら炭治郎と善逸の羽織りを預かり、食事と風呂の用意をする為にすぐ下がった。
(大変…何も出来ていないわ。急がなくては……。)
そう焦りながら八台もある冷蔵庫を覗いていく。
幸い誰かが氷を買ってくれたようで冷蔵庫は皆機能していた。
(非常用に作り置きしておいて良かった。これなら提供に然程時間が掛からないわ。お風呂は後にして頂いて先にお食事を…。)
菫は再び廊下に出ると、自室へ散ろうとしている四人に声を掛けた。