第48章 青い彼岸花の薬
(見間違え…だったのかしら。)
「お早うございます。お水を…お飲みになられて下さい。お腹に優しいお食事もご用意してあります。…すぐに配膳致しますね。」
菫は回らない頭でなんとかそう言うと、微笑みながらまだあどけない炭治郎の頬を優しく労うように撫でた。
炭「え、わっ、菫さん…!」
年上で大人の女性に免疫の無かった炭治郎は慌てて菫の手を掴み頬から離した。
敬う言葉を使いつつも炭治郎を弟のように思っていた菫は、ただ首を傾げて顔を覗き込む。
「如何されましたか…。頬が痛むのですか。」
そうして菫が寝ている炭治郎に覆い被さった状態になった時、襖が開いた。
杏「菫、さん……竈門少年の具合いは………どうだろうか。」
杏寿郎は目の前の状況に動揺しつつ、菫が炭治郎を襲うとは考えられなかった為になんとか言葉を繋いで言い切った。
善「炭治郎!目が覚めたのか!」
伊「このねぼすけ!!」
炭「善逸!伊之助!」
菫は二人に炭治郎を任せると、ゆっくり立ち上がって杏寿郎の側へ寄った。