第48章 青い彼岸花の薬
「竈門様…頑張って下さいませ…。」
菫は熱心に世話を焼き、夜になれば禰豆子と共に見守り、食事前になれば杏寿郎達に声を掛けて炊事場へ行き、やはり一睡もしようとしなかった。
杏「………………。」
それでもこれはやはりとても重要な事だ。
そして、杏寿郎や伊之助、善逸には任務がある。
どうしても菫を頼りにせざるを得なかった。
杏「なるべくすぐ帰る。…竈門少年を頼む。」
「はい。」
そうしてどこか焦点の合っていない菫は、四日目も杏寿郎を炭治郎の部屋から見送った。
(……もう朝だわ…。もう四日と半日経った…。)
「竈門様…。」
菫がそう願いを込めて呼んだ時、一瞬だけ牙が見えた気がした。
「…っ」
菫は目を見開いて後退る。
しかし――、
炭「菫、さん…?」
炭治郎は自我を保ったまま目を覚まし、そして人間として帰ってきた。
じっと目を凝らせば牙も無い。