第46章 再会
杏(…まさかここまで落ち込まれるとは。)
そう思うとはしゃぐ二人は菫に任せ、重國に話し掛けることにした。
杏「重國さん。今、鬼殺隊を抜ける事は出来ませんが、もしかしたら近いうちに鬼を滅ぼせるかも知れません。」
重國はその言葉に少しほっとしたようだった。
大きな恩を感じていたし、杏寿郎自体の事は大変気に入っていたので随分と板挟みになっていたのだ。
重「そうか。まだ不確かなのだろうが、上手くいくよう私も祈ろう。そうしたら婿に来てくれ。」
杏「………。」
重「………。」
口角を上げたまま固まる杏寿郎を見ると、重國の頬に汗が伝う。
重「……やるやらないと言うのは "嫁に" という意味ではない、 "妻に" という意味だぞ。清水家に息子はいない!蓮華が外に嫁ぐことになった以上、菫には清水の名を継いでもらう!!」
杏「自分も煉獄家を背負う長男です!嫁に下さい!!」
杏寿郎がそう言うと菫は肩を跳ねさせる。
「な、何のお話を…、」
菫がそう戸惑っていると、蓮華がぽんぽんと肩を叩いてにこりと微笑んだ。
蓮「私にお任せ下さい!」
蓮華はそう言うとピッと姿勢を正して重國の方を向いた。