第45章 継子三人組
「は、嘴平様…、そちらのお箸はお気に召さなかったのでしょうか。」
伊「気に入るか気に入らねぇかで言うんなら、その道具自体が気に入らねぇ!そんなんでちまちま食ってたら山の中じゃ生きてけねぇぞ!!」
「やま…?」
杏寿郎と菫は説明を求めるように炭治郎と善逸に視線を移した。
そんな視線に気が付くと炭治郎と善逸は眉尻を下げながら箸を下ろす。
炭「実は伊之助は山育ちでして、人と交流せずに大きくなったようなんです。なので…、」
善「…人の常識が欠けてます。亡くなった方の埋葬も『何の意味があるんだ。』って言ってたし…。」
「そうですか…。」
杏「では練習しなければならないな!」
杏寿郎はそう言いながら立ち上がって伊之助に歩み寄る。
それを見た善逸は首をぶんぶんと横に振った。
善「え"っ!無理無理!伊之助に物を教えるなんて絶対無理ですよ!!」
杏「嘴平少年!物は試しだ!取り敢えず使ってみると良い!!」
炭治郎、善逸、菫が見つめる先の伊之助は食事から目も離さない。
伊「いらねぇって言ってんだろ!!」
杏「そうか!君には十年早かったようだな!!」
それを聞いた伊之助の額に青筋が立つ。
これはしのぶに聞いた伊之助の取り扱い方であった。