第44章 青い彼岸花
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その頃、菫は炭治郎、善逸、伊之助が揃っている病室のベッドで横になっていた。
部屋を訪ねてきた時、炭治郎と善逸は起きていたのだが今は寝てしまっている。
「…………。」
菫は静かな空気に包まれると家族に想いを馳せた。
ゆっくり話がしたいのは本音だったが、勿論早く会いたいという気持ちがない訳ではない。
(でも叶うんだわ…一生会えないのだと諦めてたのに……。)
そう思うとあと少しくらい耐えられる気がした。
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杏「…勘、ですか。」
杏寿郎は目を丸くしながらそう言った。
あまねはその言葉に頷く。