第44章 青い彼岸花
夜が完全に明け切ると、戸を開けられない杏寿郎の代わりに背の低いしのぶが頑張って隊士達を解散させた。
そして菫は、あまねが来る前になんとか病室を出られたのだった。
「私は昨日の鬼狩り様が居らっしゃる病室へ行きます。あの部屋ならベッドの余裕がまだある筈なので。」
杏「それは良くないだろう!」
杏寿郎は菫が頼りない入院着の姿で男の居る病室へ行くことに強い抵抗を覚えた。
しかし炭治郎達はまだ少年だ。
それ故にしのぶと菫は杏寿郎の言葉より、あまねを迎え入れる準備の方を優先した。
し「あまね様とのお話が終わるまでの間ですから。」
「では失礼します。」
菫は納得していない顔の杏寿郎を困った様に見ながらお辞儀をし、その場を立ち去った。
そうして間もなく、あまねが杏寿郎の元を訪ねて来た。
あまねは初めに杏寿郎に礼を言い、頭を下げた。
そして、名古屋の調査の件について説明を始めたのだった。