第43章 対話
(殺されてしまう…!)
菫の反応を見た杏寿郎は、先程の親衛隊についての発言を思い出した。
杏「…すまないが部屋には入れられない!柱の仲間にも許可は下りていないんだ!」
そう伝えると隊士達は戸の前で杏寿郎への言葉を贈り始めた。
(……助かった…。)
菫がそう思いながら頭を出すと杏寿郎は面白がるような笑みを浮かべて見ていた。
杏「うむ!ありがとう!俺も君の活躍を祈っている!!」
杏寿郎は訪ねて来た隊士達一人一人の言葉を丁寧に聞き、皆に分け隔てなく感謝と激励の言葉を贈った。
しかし、そんな杏寿郎は話しながらも絶えず菫の頭を優しく撫で、皆の知らぬ所でただ一人を特別扱いしていたのだった。