第41章 休養
(『鬼がいなければ家を出なかった。』…なんて、あのお父様が信じる筈ないわ……。)
菫はそんな事を思いながら圭太に向き直った。
「杏寿郎様には言えないと思うから此処で言わせて下さいませ。私…、私、家を出た時から…ううん、初めてお会いした時から杏寿郎様の事が、」
圭「まてまてまて!!」
それを初めに聞くのは自分じゃないと思った圭太は再び菫の口を塞いだ。
圭「俺に言うのは炎柱様に伝えた後だ!!そうじゃないと俺は聞かないぞ!!!」
その時、菫は無意識に杏寿郎の真似をして『むぅ。』と言った。
―――
し「菫…清水さん。やはり此処でしたか。お待たせしました、診察室へ来て下さい。」
「はい。」
菫は腹に気を付けながら立ち上がると圭太にお辞儀をしてから作業部屋を出た。
し「私も菫さんって呼んでも良いですか?煉獄さんと話していたら移ってしまって。」
「一向に構いません。」
菫は杏寿郎としのぶが自身について話していたのだと知ると、少しむず痒い気分になった。