第41章 休養
「あの上弦の!しかも参です!聞きましたか!?敵は素手で戦う鬼でしたが、衝撃を遠くまで飛ばせる術も持っていて距離を詰めても離れていても非常に厄介でした!それなのに柱は杏寿郎様一人切りだったのです!!普通はすぐに殺されてしまいます!ですが杏寿郎様は乗客を守り続け、鬼にまで認められて勧誘もされたんです!余りにもしつこく杏寿郎様を困らせていたのでその点は許し難いとは思いましたが、見る目はあったと少しは褒めて差し、」
圭「止まれ!!とまれとまれ!!!」
圭太に口を押さえられると菫はくぐもった不満そうな唸り声をあげた。
圭「そんな声を出してもだめだ。まずはお前の怪我だ。それ、その血の付き方…吐血だろ。」
菫が大人しく頷くと圭太は口を解放してやった。
「任務地に居合わせたのは本当に偶然でした。…その……、知り合いに鉢合わせてその流れで列車に、」
圭「列車?お前、知り合いに鉢合わせたら一緒に列車なんかに乗るのか?」
圭太から『説明しろ。』というオーラが出たのを確認した菫は腹を決めて全てを話すことにした。
圭「…………………そうか……。」
圭太は話を一通り聞くと菫がやっと幸せになれるのだと思って胸が熱くなり、少しの言葉しか発せなかった。
一方、菫の方はまだ父親との確執があると勘違いしているので、杏寿郎への恋心とどう付き合うべきか悩んでいる。
何しろ家を出たのは事実だ。