第37章 鬼を連れた隊士
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杏「うまい!…うまい!!」
天「お前、よくすぐ通常運転に戻れるな。」
その言葉に杏寿郎は首を傾げた。
杏「話は纏まったろう!!」
天「そういう話じゃねーんだわ。」
天元は杏寿郎が人間らしい面をあまり見せない事が気になってよく話し掛けていた。
この日もそれは同じで、人間らしさが垣間見れる菫の話題も出した。
すると、杏寿郎は久し振りに頬を僅かに染めた。
天「え、なに、何かしちゃった?」
天元が嬉しそうな笑顔を浮かべると杏寿郎はぎゅっと眉を寄せた。
杏「君が思うような事はしていない!!!」
天「何かはしたのかよ。」
揚げ足を取られた杏寿郎の頬がもっと染まる。
そこへ実弥がやって来て天元の肩をバシッと叩いた。
実「後輩弄りするんじゃねェ。前にも言っただろォ。」
杏「不死川…。」
実弥は天元の巨体に隠れていた杏寿郎の赤い頬を見ると白目を剥いた。