第34章 詰められない距離
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そうして菫との距離を詰めれられない状態のまま再び時は流れ、年越しを迎えると柱合会議の日がやって来た。
柱合会議に参加するのも三回目となり、尚且つ杏寿郎は今年二十歳になる。
随分と大人っぽく、そして柱らしくなっていた。
そして、合同任務で共に戦った柱メンバーからも信頼され、好かれるようにまでなっていた。
杏「おはよう!!」
杏寿郎が庭へ入ってすぐに挨拶をすると、先に来ていた行冥と実弥が返事をする。
初対面では殴り掛かって来た実弥も、今は杏寿郎の性格を理解し好ましくさえ思っている。
実「変わりねぇかァ。」
実弥の素直な言葉に、杏寿郎はどんな人間の毒気も抜いてしまいそうな笑顔を浮かべた。
杏「うむ!君も変わり無いだろうか!!」
そうして三人が落ち着いた雰囲気で話していると義勇と義勇をつつくしのぶがやって来て、続いて小芭内、蜜璃、天元がやって来た。
天元は杏寿郎に挨拶すると、案の定菫の名も出してきた。
杏「今はご両親や妹さんとも会っている!!もっと言うと元許婚の男性にも応援してもらっている!!!」
杏寿郎がそう元気良く答えると、天元は目を丸くした。
天「超進んでんじゃん。いつの間にそんな関係になったんだよ。」
杏「関係は未だ変わらず主従関係の域から脱していない!!」
笑みを浮かべながらそう言い放つと、天元は『え、こわ。』と呟いた。