第31章 二度目の告白
蜜「菫さん!私のことは恋柱様じゃなくて名前で呼んでくれないかしら…。私のほうが年下だし…もっと気さくに話してくれたら嬉しいわ!」
その言葉と明るい笑顔に菫も柔らかく微笑む。
「それは流石に出来ませんがお気持ちは嬉しく思います。」
笑顔に反して頑なで固い菫に蜜璃は眉尻を下げて泣きついた。
一方、 "煉獄様" と呼ばれている杏寿郎は、そのやり取りを嬉しそうな笑顔を浮かべて見つめながら二人に歩み寄った。
杏「菫さん、今日もありがとう!とても美味かった!」
菫は微笑んだ後、深々と頭を下げる。
杏寿郎は顔を上げさせるといつも通り頭を優しく撫でた。
蜜「!!」
蜜璃はそんな様子を見て顔を赤くし嬉しそうな声にならない悲鳴を上げた。
杏寿郎がそんな蜜璃に気が付く。
そして、自身の想いを知っている蜜璃に『良いだろう!』というような笑顔を向けた。
蜜璃は再び花咲く笑顔を浮かべる。
その時、杏寿郎は無意識に蜜璃の頭も撫でた。
「…………。」
菫はそれを見て少しだけ目を見開き、そしてすぐに視線を外すと『後片付けをして参ります。』と言って炊事場へ引っ込んだ。