第31章 二度目の告白
(恋柱様は空気が少し煉獄様と似ていらっしゃる気がする。苦労を周りに見せない、感じさせない。それにとても可愛らしいお方だわ。蟲柱様とはまた違った…。)
しかし、蜜璃が食べる量は女性が食べる量とは思えなかった。
(……あんなに美味しそうに食べて下さっている。食べるのがお好きなんだわ。それでもあの量となると我慢をせざるを得ない時もあった筈…『女だから』という体裁の問題で。)
そう思うと菫はより一層、蜜璃を満腹にさせてやりたくなったのだった。
―――
蜜「んーーおいしかったあ!!」
菫は大分気合いを入れて取り掛かっていたが、蜜璃の腹のポテンシャルは菫の予想を遥かに上回っていた。
それ故に大食らいの杏寿郎の為に買い溜めてあった食料は蜜璃が箸を置くより先に底をついてしまった。
「十分にお出し出来ず、本当に申し訳ございません。」
菫が眉尻を下げながらそう頭を下げると蜜璃は慌てて首を横にぶんぶんと振った。
蜜「そんな事ありません!止められなければいつまででも食べられるだけです!」
「……そうでしたか。」
菫は少し呆気に取られた後、ほっとしたように微笑んだ。
その笑顔を見た蜜璃はきゅんとしてから菫の手を握った。