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【鬼滅】敬愛と情愛【煉獄さん】

第30章 三人の新人




し「煉獄さんも過敏になり過ぎかと。宇髄さんが清水さんにちょっかいを掛けたのは煉獄さんが清水さんに……好意を持っていたからであって、」
蜜「え!?え、えぇーーーっ!?!?」


好意と言っても種類がある。
しのぶはオブラートに包んだつもりであった。

しかし、蜜璃は恋に恋する年頃の女の子である。

好意とは恋の事なのだと盲目に受け取ってしまった。


蜜「師はんっ…煉獄さんが!想いを寄せている女性がいるんですか!?え、え、どんな人なのかしら…!!」


一方、元教え子にそんなネタを知られてしまった杏寿郎は口角を上げながら固まった。

しのぶは杏寿郎に申し訳なく思いつつ、蜜璃に嘘を吐く事も出来なかった。


し「すみません、失言でした。とにかく宇髄さんは私にそうであるように、甘露寺さんにもちょっかいを出さない筈です。安心して下さい。」

杏「……そうか!胡蝶がそう言うのならそうなのだろう!宇髄、すまなかった!この話はこれでお終いだな!!」


杏寿郎はそう言ってすぱんと切り替えると、周りの者を置いてきぼりに再び握り飯を食べ始めた。

勿論、恋愛話が好きな蜜璃は物足りない。


蜜「清水さん…気になるわ…!煉獄さんは下の名前で呼んでいらっしゃいましたよね!菫さん、だったかしら。あれ………?」


蜜璃が口元を押さえて固まる。


蜜「……頭巾を被っていたって…もしかしてお世話をしている隠さんが菫さんですか…?でも煉獄さん、今ご実家を出られてひとり暮らしをしてる筈じゃ……、」


杏寿郎の『うまい!』が再び止まる。

杏寿郎がちらりと視線を遣れば、蜜璃は真っ赤になっていた。


杏「……………………………。」


杏寿郎は口角を上げたまま握り飯に視線を戻す。

そして再び何事も無かったかのように食べ始めた。


杏「……うまい!…うまい!!」

蜜「えっ、えっ!?」


結局、杏寿郎は蜜璃の質問を受け付けずに握り飯を食べ切ったのであった。


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