第22章 認めた感情
圭「お前の妹だってそんな義理立ては望んじゃいないって。なんなら会いに行ってみたら良いんじゃないか?」
そう問われると菫の眉尻はスッと下がってしまった。
それを見た圭太はまた溜息をつく。
圭「…橙子の分も幸せになってくれよ。面影を重ねて、押し付けて、悪いとは分かってるけど、このままでお前が幸せだとは思えないんだよ。」
「それは……、」
菫は三年間、圭太が喪ってしまった妹の事をとてもとても大事にしていたのだと毎日接する度に痛感していた。
それ故に、どうしてもすぐに拒絶出来なかった。
圭「ん、もう大分休んだな。この話はまた後でだ!」
「……はい。」
菫は結局圭太にきちんと反論出来なかったのだった。
―――
圭「もうそろそろ昼だな。菫、鬼狩り様が起きられる前に昼を貰いに行こう。」
菫は少しだけ眠そうな顔を向けた。
「……いえ、煉獄様のお食事を作らなくちゃ。」
圭太はその言葉を聞くとパッと目を見開いた。
圭「お前、いつの間に炎柱様って呼ぶの止めたんだよ!柱に就任なされた時、『私、一生炎柱様って呼びます。』って目を輝かせてたろ!」
それを聞いた菫は一瞬で目が覚めた顔に戻った。