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愛執染着

第2章 王子様の秘密


くちゅくちゅとだんだん大きくなる音とは裏腹に、物足りなさだけが増していく。

「ん、〜〜〜〜〜〜〜!」

焦れったい。あんなに抱きたいって言ってたのに、こんなのズルすぎる。なんで、この前みたいに強引にしてくれないの。なんて私らしくない考えが浮かんだ。

膣の中を少しでもぐちゅぐちゅって掻き回したらイッちゃいそう。想像すると余計に物欲しくなってしまう。虚しさだけが残るから考えたくもないのに。やっぱり欲しいと思ってしまう。

「やだあ…………!!」

「は、?」

「こんなの、酷い………」

涙がぼろぼこぼれる。こんなの駄々をこねる子どもみたいだ。

「じゃあどうしてほしいの?」

嬉しそうな顔をした霧島。全部策略だったんだとこの時気づいた。私はこいつの罠にまんまと引っかかってしまった。
でもそんなの、どうでも良かった。今はこの疼きを沈めるのが先だと思った。

「この前みたいに、ぐちゃぐちゃにして。焦らさないで………!」

顔を覆いたかった。惨めで、見られたくなかったから。泣きじゃくって涙で濡れた顔はすごく気持ち悪いと思う。

少しの間があいた。不安を煽る。

「ふはっ。ほんと単純だな。さっさと言えば良かったのに」

口調が変わった。いつもの霧島だ。くる、今度こそほんとうに。
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