第2章 王子様の秘密
「大人しく俺に飼われて。毎日たっぷり愛してあげるから」
私の頬に冷たい手を添える。壊れ物を扱うみたいに優しく。愛してあげる。その言葉の裏に隠されているのはきっと、息が詰まるほどの危険な猛毒を持ってるんだ。
顔が近づいて、私は反射的にキスされると思った。あの溶かされちゃう見たいなキス。今はしたくなくて咄嗟に顔を横に向けて拒否した。
「は、なに?俺の事拒むわけ。あんなに俺とのセックスで散々感じてたくせに」
「あれは薬のせいでしょ!変なの飲ませるからそれで…………」
「じゃあ試してみる?」
「何言ってんの………」
気づいたら唇を奪われていた。一瞬すぎて、拒む隙もなかった。触れるだけのキスだったのに、次第に深くなっていって。舌を絡めとられて、逃げてもすぐに捕まっちゃう。
「澪ちゃんすっごいえっちな顔してるね。キスだけで興奮してきた」
やっと唇が離れて、どちらのかも分からない唾液が口端からたれてしまっている。
布越しだけど、硬いものが当たっていてそれがなんなのかすぐに理解した。