第2章 王子様の秘密
「なんで、霧島がここにいるの………?」
「なんでって。心配だったからだよ。隣の席の人として、ね?」
扉を急いで閉めようとした。でももう遅くて。こじ開けて霧島が玄関まで入ってきた。バタンって扉が閉まった時、かちゃんって鍵が閉められた。
私が逃げられないように扉にもたれかかってる霧島。足がくすんで、動けなくなる。
「ばかだね澪ちゃん。簡単に男家に入れちゃってさ。俺が何しに来たかわかるでしょ」
「知らない。帰って」
嫌な予感がすごくするけど、ここで怯んじゃだめだ。
「攫いに来た。澪ちゃんを誰からも見えないところに閉じ込めちゃおうと思って」
「何言ってんの…………?」
「そのまんまの意味。ほら、おいで」
手を差し出されて。そんなこと言われて呑気に着いてくわけないでしょ。すぐに距離をとって部屋の中へ逃げる。
「待ってよ澪ちゃん」
「いや、こないで!!」
だけどすぐに捕まっちゃって。いつも寝ているベッドに押し倒された。
「俺、悲しかったんだよ?澪ちゃんがずっと学校来ないし、連絡しても一向に返事無いし」
「離してっ!!」
スマホを取って通報しようとしたけど手首を掴まれて、上に乗られてしまって全く身動きが取れなくなる。
「俺さ、澪ちゃんのこと抱いてからおかしくなっちゃったみたい。ほかの女抱いても全然勃たないし。興奮しないの。でもね、あの澪ちゃんのハメ撮りとか喘ぎ声録音したやつとかの方が断然抜けんの」
あれからずっと、おかずにしてる。って囁いた。脳が警報を鳴らす。逃げなきゃまずいって。
「やっぱオナってるだけじゃ足りなくなってきてさ。恋しくなっちゃった、澪ちゃんのこと」
「意味、わかんない」
情報量が多すぎる。理解するには時間がかかりそう。
「今からゆっくり分からせてあげるからいいよ。今は分からなくても」