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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第20章 我儘と憂いのアメジスト R18


「アメリア、そう撫でられると色々と・・・。」
「えっ、お嫌ですか?」
「断じて嫌ではない。ないのだが・・・最近、私を男として認識されているか不安に思う時があるのだが。」

そこで、私の動きが止まった。

確かに・・・シェラザード様、あれから何もしてこないから安心してた。決して、男性だという事を忘れていた訳ではないのだけど。いや・・・ちょっとだけ、忘れていた時もあったかもしれない。

慣れって怖い。おずおずと離れようとしたのだけど、シェラザード様の腕はピクリともしなかった。

「そうか・・・思い出してくれたと言うことか。」

ひいいいいっ!!!心の中で盛大な悲鳴が上げる。

見上げると、それはそれは楽しそうで妖艶な笑みを浮かべたシェラザード様の顔があった。

「そ、そろそろ、湯あみしましょうかね。」
「一緒にと言う、お誘いか?」
「そう言う訳ではないと言いますか・・・一人の方がゆっくりと寛げるかと思いますし・・・。」

「ウチの風呂が二人では、狭いと言うことか。ならば、浴室を広げる様にした方がいいな。」

なんて、怖い声が聞こえる。

「ふ、二人が狭いと言ってなどいませんよ?ゆっくりと寛ぐなら、お一人の方がいいのではと言うだけでして。・・・へっ?」

いきなり、部屋の灯りが消えた。カーテン越しに、月光が差し込んでくるのみ。

「折角、私を男だと思い出してくれたから・・・アメリアを可愛がろうか。さっき約束したし、幾らでもアメリアに心が籠った言葉を告げたいからな。何も心配ない。もし、子が出来ても父上が対処して下さるらしいからな。」

えっ?

あっ!!あの時の侯爵様の言葉は、そう言う意味だったの!!?危険って、そういう・・・。

いきなり抱き上げられ、慌ててシェラザード様の首にしがみつく。

「アメリアもその気になってくれた様で嬉しい。あぁ、湯あみは終わったら一緒に入ろう。私は二人の方が寛げる。」

ごっそり何かを奪われた私は、艶々のシェラザード様を浴室で見る羽目となるのだけど。つい、またアレが気になって、更に何かが削られていった。

湯あみが終わり、ベッドの中でシェラザード様の腕の中で微睡む私。

「アメリアが言った通りだな。」
「えっ?何がですか?」
「さっきより、今の方が幸せを感じる。」

それなら良かった・・・疲れからか、私はそのまま深い眠りに落ちて行った。
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