第11章 ブルーデイジー
side灰谷竜胆
『蘭ちゃんと竜ちゃんどうしてここにいるの?』
どうして…会いたかったから以外の言葉が見つからない。
「いつも東堂ちゃんが俺らんとこ来てたからさ。たまには俺らからね。サプラーイズ!な、竜胆?」
「あ、うん会いに来ちゃった…。」
恥ずかしくて言葉を探している俺に気づいた兄ちゃんにのっかるカタチで返事をした。
『わああ嬉しい!ありがとうっ』
「!?…東堂…東堂…っ」
東堂が急に抱きつくから心臓がバクバクうるさい。聞こえちまう…。
「はーい竜胆の心臓止まるから離れてねえ」
兄ちゃんによって引き剥がされた東堂。良かったような寂しいような…。
『竜ちゃん心臓わるいの!!?』
天然すぎて困る…可愛い…。
「おい東堂こっちこい」
そういって場地が東堂を腕におさめた。
「おい場地離れろや
きらに触んな」
思ったより低い声が出て自分でも驚く。ビクッと肩を揺らした東堂にやっちまったと思った。
『ねえ…喧嘩だめ…っ』
「竜ちゃん怖いな東堂ー。
よしよし東卍の皆んとこ帰ろうなあ?」
場地が腕の中の東堂を抱きしめて頭を撫でている。まじで触んな…東堂と同じ呼び方すんな…!
「場地てめえ…ざけんなよ…
きめぇ呼び方しやがって」
『竜ちゃんっ』
「んー?どうしたきら」
「きらに呼ばれたらそんな優しい顔すんだな?」
「うるせえ」
当たり前だろ。
東堂の『竜ちゃん』って呼ぶ声が可愛くて仕方ねえんだ。そう呼ぶのだって東堂以外いなくていい。
『お友達になったしさ、せっかく会いに来てくれたんだから今日は私が圭介くんと一緒に渋谷案内したいっ』
思いついたように東堂が提案する。
東堂が言うならなんでも叶えてあげたいけど今から東卍の隊長と仲良く渋谷で遊ぶなんて正気じゃねえ…。
「「「…まじ…で言ってる?」」」
『うん、いこ!れっつごーー!』
だけど俺と場地の手を取って嬉しそうに歩き始めた東堂をみて、まあ今日くらいはいいかなんて思い始めていた。東堂のことになると完全にペース持ってかれちまうよ。