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【文スト】愛故に【江戸川乱歩】

第6章 6、赤いチューリップ



一筋の涙が頬を流れる。


『探偵社にはこの場所の事も、君の事も言っていない。』


溢れる涙は止まらなくて


『だから、君がする事は一発僕を撃つことだ。』


頬を撫でていた手は、銃を持つ手に重なって。


『ゆめ、愛しているよ。』


パン、と言う乾いた音が店内に響く。
目の前には黄色いチューリップを真っ赤に染めた乱歩さんが居る。






「乱歩さん、乱歩さん、、、っ。」



「ごめんなさい、私も、貴方を愛していたの。」




カチリ、と銃のレボルバーを引く。




「私は、貴方を1人にする程、強くないわ。」


2度目のパン、という音が頭に鳴り響いた。








この惨状を見た人は、愛する2人が心中したように見えるだろうか。



そう思いながら、私は、目を閉じた。



-------------キリトリセン--------------

花言葉です。
チューリップ『思いやり』
赤いチューリップ『愛の告白』
黄色い『希望のない恋』

最期、乱歩さんの血で、黄色いチューリップは赤いチューリップになりました(๑˃̵ᴗ˂̵)
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