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神室町の女探偵【JUDGE EYES】

第2章 【同業者】


札束を奪い返そうとする香を回避して八神は札束を慣れた手つきでズボンの後ろポケットに入れる。

『……。』

さすがに男性のお尻に触るのは、と躊躇った香は一旦お金を取り返す事を諦めた。

「訴えたら間違いなく俺のほうが……」

往生際悪く八神からお金を取り返そうと脅しをかける鵜沢の目の前にスッと何かを取り出して見せた。

「なっ?これ…弁護士バッジ?お前探偵なんじゃ、」
『は?弁護士…バッジ?』

鵜沢と同じように驚きながら香は八神が見せつけているソレを見た。
それは正真正銘本物の弁護士がその証拠としてつけているバッジだ。


「どうする?ほんとに出るとこでる?でも……






"やっぱ相手が悪いと思うよ。"」















『…で、ここが貴方たちの事務所ですか。随分とこう…汚らしいですね。流し台にカップ麺の容器置きっぱ…、冷蔵庫は空っぽです。』
「男の部屋なんてこんなもんでしょ。俺たち料理しないし…。まぁ、とりあえずそこに座って。」

八神の言葉に素直に従う香。
その顔には面倒くさいと書かれているようだった。

『それで?ここに連れてきた要件は何ですか。』
「それで?って…。さっき納得いってなさそうだったでしょ、香ちゃん。」
「だから名前で呼ぶのやめてもらっていいですか。10分ほど前のことも忘れちゃったんですかね?」

勝手な名前呼びにイライラしながら腕を組む香の顔をじっと見つめていた海藤は突然場違いな事を言い出した。

「あのよぉ…ター坊。香ちゃん帽子とマスクで顔を見づらくしてるが絶対美人だと思うんだよなぁ。何か俺の美人レーダーがビンビン感じてるってぇか、外してもいいか?」

香に近づき帽子を外そうと伸ばした海藤の手を掴むと流れるような動作でテーブルの上に押さえつけた。

「うおっ⁈いででででて!香ちゃんギブだ!」
「ちょ、香ちゃん⁈」
『……。』

テーブルを叩いて悶絶する海藤を冷たい目で見下ろした後、ゆっくりと手を離した。

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